認知症患者の行方不明問題
NHKスペシャルでも放映されましたが、現代の社会問題のひとつとして挙げられるようになったのが、認知症患者の行方不明問題。
2012年のデータでは、認知症患者の行方不明者が9607人です。そのうち、359人がそのまま死亡してしまっているというデータがあります。
死亡理由は、餓死、凍死、熱中症、など…。
さらに、その年の時点で、未だ帰り場所が見つからず、行方不明のままの人が200人以上いたのです。
2013年のデータでは、10322人が行方不明になっています。
行方不明後に死亡してしまった、あるケース
東京都の例では、当時76歳の男性がある日突然居なくなり、死亡して見つかりました。
男性は死亡する半年前から認知症の症状が目出し始め、奥さんの介護を受けながら自宅で過ごしていました。
しかし、自宅に居るのにも関わらず、度々、
「うちに帰る」
と言って、家を出て行ってしまうことがあったそうです。
それでも、近所を探したり、自力で戻ってきたりしていて事なきを得ていたのですが…
3月のある日、奥さんが夕食の支度をしている間に、玄関に靴を置いたまま、いつの間にか居なくなってしまったのです。
家族で探しましたが見つからず、警察に届けましたが行方不明のまま手がかりはつかめませんでした。
奥さんは、「どこかで生きていて欲しいという思いと、毎日毎日地獄のような思いでした」と話しています。
3週間後、自宅から500メートル離れた川沿いで男性の遺体が発見されました。
死因は、凍死とみられており、道路から死角となった場所だったため発見が遅れたようです。
奥さんは、「徘徊して行方不明となり、死亡するとは考えていなかった。すぐに見つけてあげられず、今でも申し訳ない気持ちでいっぱいです。」と話しています。
家族のサポートが必要になります
認知症は病気ですから、本人の意思ではなく家に戻れなくなってしまいます。
患者本人も、どうしたら帰れるのか分からずに、苦悩しながら徘徊をし続けます。
親切な方に出会えればよいですが、様々な状況により、上記のケースのように、居たたまれない事故や、餓死、凍死など力尽きてしまうケースもあるのです。
そのためにもできる限りの家族の見守りや、日々のサポートが必要になります。
当サイトで紹介するアロマ治療に加え、下記のような行方不明対策もありますので、取り入れてみてください。
行方不明対策
衣服に名前と連絡先を記載
患者の衣服全てに名前と連絡先を記載しておきましょう。
赤外線センサー
玄関や庭先に設置しておくことで、夜中に勝手に外出してしまうときなどに知らせてくれるセンサーです。
GPSセンサーを利用
お守りなどにGPSセンサーを入れ、肌身離さず持ってもらう。イザと言う時のために。
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