もの忘れ外来で認知症の早期発見を目指す重要性
最近、親が同じ話を繰り返すようになった、置いたものをすぐ忘れることが増えたと感じることはありませんか?
年齢を重ねると、自然な老化の一環として記憶が曖昧になることはありますが、それが日常生活に影響を与えるほど頻繁になった場合、それは認知症の初期兆候である可能性があります。
そこで重要なのが「もの忘れ外来」のような専門の診療科。
今回は、認知症早期発見のためのポイントやもの忘れ外来の活用法についてお伝えします。
こんな症状は認知症の兆候かも
誰でも「ちょっとした物忘れ」は経験するものです。
でも以下のような行動や変化が見られる場合には、専門医の受診を検討してみるべきです。
- 記憶に関する問題
何度も同じことを質問する、約束を忘れる、昨日食べたものが思い出せないなど。
たとえば、お財布をどこに置いたかわからなくなる頻度が増え、毎回家族に探させるような状況です。 - 見当識障害の兆候
季節感を失ったり、今いる場所をわからなくなったりします。
例えば、家族旅行中に「ここはどこなの?」と何度も聞き、普段はしない行動をする場合です。 - 判断力や注意力の低下
同時に複数のことをするのが難しくなる、興味や好奇心がなくなる、会話についていけなくなる場合。
例えば、調理中にガスを切り忘れる、テレビのリモコン操作ができなくなるなどです。
これらは日常生活の中で少しずつ現れることが多いので、早期発見のためには積極的な観察が必要です。

もの忘れ外来でできること
「もの忘れ外来」は、多くの総合病院や専門クリニックに設置されている診療科です。
以下のような精密検査を行うことで、認知症か単なる老化による物忘れかを判断してくれます。
検査内容 | 概要 |
---|---|
問診 | 日常生活での困りごとや物忘れの頻度を確認 |
血液検査 | 認知症のリスクを引き起こす病気の有無を確認 |
MRIやCT | 脳の萎縮や血流状態をチェック |
心理検査 | 記憶力、言語能力、問題解決能力などを評価 |
検査は数時間で完了することが多く、初期の段階で認知症の進行を食い止める治療プランを立てることが可能です。
たとえば、アルツハイマー型認知症の場合、早期発見により薬物治療とリハビリを組み合わせることで進行を遅らせることができます。
また、生活習慣病が原因の場合は、血糖値や血圧コントロールが優先されます。
これらは早い段階で見つけるほど効果的です。

認知症と共に生きるための環境作り
認知症の診断を受けた後、家族としてすべきことに悩む方も少なくありません。
その第一歩として、家の環境や生活習慣を整えることが挙げられます。
- 家の安全対策
鍵がわかりやすい場所にあるか、ガスコンロ周辺の安全装置が機能しているか確認をしましょう。 - スケジュール管理
カレンダーを使って今日やるべきことを本人が一目でわかるようサポートします。
たとえば、認知症の母親が服薬管理を忘れがちな場合、目覚ましアラームや家族からのリマインドを組み合わせることで、忘れを防げます。
認知症は「対策やサポート次第で穏やかな生活が可能である」ことを理解し、一緒に歩む努力が必要です。
この記事のまとめ
家族で一緒にできることから、穏やかな日々を取り戻してみませんか。
※参考:公益財団法人日本認知症学会
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