認知症を引き起こす原因とは?
認知症の大部分を占めるアルツハイマー病の原因として、脳内に蓄積する「アミロイドβ」や「タウたんぱく質」が挙げられます。
特に、これらのたんぱく質が集まり「オリゴマー」と呼ばれる状態になると、神経細胞がダメージを受け記憶力の低下などの症状が現れます。

従来の治療法は、認知症の進行を遅らせる「対症療法」が中心でしたが、2022年の大阪市立大学の研究では 「オリゴマーを除去することで認知機能を維持する」 という新たなアプローチが示されました。
また、認知症は発症する20年前から脳内で異常が始まるとされており、早期からの予防が重要だと考えられています。
この点鼻薬は、まさに予防を目的とした画期的な研究成果となるでしょう。
点鼻薬に使われる2つの成分とは
この新しい点鼻薬には、以下の2つの成分が含まれています。
成分名 | 役割・効果 |
---|---|
リファンピシン | 抗生物質としても使用され、オリゴマーを分解し、脳内の異常たんぱく質を除去する |
レスベラトロール | ポリフェノールの一種で、抗酸化作用や神経保護作用がある。リファンピシンの副作用を抑える働きも期待される |
これらの2つを組み合わせることで、 「オリゴマーを取り除く効果」 と 「神経細胞を修復する効果」 の相乗効果が得られることが、マウス実験で確認されました。
さらに、点鼻薬という形で投与することで、脳への成分の届きやすさが向上し、内服薬よりも効率よく作用すると考えられています。
実験結果と今後の展開
研究では、アルツハイマー病やレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症のマウスにこの点鼻薬を4週間投与しました。
その結果、以下のような効果が確認されました。
- 認知機能が改善され、学習能力が向上
- オリゴマーが脳内から除去される
- リファンピシンの副作用である肝臓への影響が抑えられた
これらの結果から、 「認知症の発症を抑えるだけでなく、進行を防ぐ効果も期待できる」 ということが分かりました。
現在、研究チームはこの点鼻薬の実用化に向けて臨床試験の準備を進めており、将来的には 「発症前に予防薬として使用する」 ことも視野に入れています。
認知症は発症すると治療が難しい病気ですが、早期予防によってリスクを減らせる可能性があります。
この点鼻薬の研究が進むことで、より多くの人が健康な脳を維持できる未来が期待されています。
この記事のまとめ
※ 参考:大阪市立大学「認知症予防の点鼻薬に関する研究」
コメント